整地(せいち)の種類は6種類|費用相場と失敗しない業者選びの方法は?

  • 整地にはどんな種類があるの?仕上がり状態の違いは?
  • 種類別の費用相場を知りたい
  • 整地業者選びで失敗したくない!

一言に「整地」と言っても、求める仕上がりの状態によって、種類や費用感が大きく異なります。

本記事では、整地をしようか悩んでいる方のために、「整地」の種類やそれぞれの費用相場、失敗しない業者の選び方まで詳しく解説いたします。

※整地に関する基本知識は整地(せいち)とは?更地・造成の違いやメリットを解説で解説しています。

記事監修者情報

株式会社グランクルー 代表取締役 加瀬 健史カセ タケシ)
不動産業界歴20年以上・宅地建物取引士

不動産のプロでも敬遠しがちな借地権取引の実績100件以上。借地権の売買や更新料の相談・借地トラブルまで幅広く対応し借地取引に多くの知見を持つ。世田谷の借地権に特化したメディア「教えて世田谷不動産」運営。詳細はプロフィールをご覧ください。

整地(せいち)の種類は6種類|目的・用途別おすすめの方法も紹介

整地は目的や用途によって6種類に分類され、仕上がりの状態や費用が異なります。

以下は、更地の状態から整地を行う際の費用相場をまとめた表です。(解体工事の費用は含みません)

※住宅金融支援機構が調査したフラット35利用者調査によると、住宅面積の平均は124.4㎡(注文住宅)。整地する際のわかりやすい目安として併せて紹介させていただきます。

2020年度フラット35利用者調査|独立行政法人 住宅金融支援機構 国際調査部

整地方法1㎡あたりの費用124.4㎡の場合の費用
住宅面積の平均
①粗仕上げ(粗整地)300~600円/㎡37,320~74,640円
②砕石整地2,000~7,000円/㎡248,800~870,800円
③砂利整地1,000~1,500円/㎡124,400~186,600円
④真砂土整地3,000~4,000円/㎡373,200~497,600円
⑤アスファルト整地
コンクリート整地
3,500~6,500円/㎡
5,000~1万円/㎡
435,400~808,600円
622,000~1,244,000円
⑥防草仕上げ1,000~6,000円/㎡124,400~746,400円

粗仕上げ(粗整地)

粗仕上げは整地方法の中でも最もシンプルな方法です。

建物の解体後に出た木材や残置物などの不要物を取り除き、土地を平らにして終わりとなる最低限の作業工程です。

6つの整地方法の中で、最も費用を抑えることができます。

費用目安
1㎡300~600円
124.4㎡37,320~74,640円

こんな方におすすめ

  • 土地の用途が決まっていない方
  • 新築の家を建てる方/家を建てる人に需要がある土地をお持ちの方

粗仕上げは最もシンプルな整地方法であるため、「とりあえず整地しておきたい!」という場合に最適です。他の方法と比較して費用が安いことも粗仕上げを選ぶメリットです。

家を建てる際には、過剰な整地は必要なく、不要物が取り除かれた平らな状態の土地であれば十分です。家を建てようと考えているにもかかわらず、コンクリート整地やアスファルト整地をしてしまうと、結果としてコンクリートやアスファルトを除去しなければならず、無駄な整地となるため注意が必要です。

砕石(さいせき)整地

砕石(さいせき)整地は、粗仕上げと同様に不要物を取り除き、土地を平らにした後、砕石を敷き詰めて転圧作業を行う方法です。

砕石はゴツゴツとした角があるため、砕石同士が噛み合い、より地盤を固めることができます。

砕石整地を行うことで、土地の高低差を無くなると同時に見た目も綺麗になります。

費用目安
1㎡2,000~7,000円
124.4㎡248,800~870,800円

こんな方におすすめ

  • 見た目の仕上がりにこだわりたい方

砕石には色や形の異なる様々な種類があり、自身の土地の仕上がりのイメージに合わせて砕石を選ぶことができます。※砕石の種類によって費用は異なります。

砂利整地

砂利整地は砕石整地と同様の作業工程ですが、最後に砕石だけでなく、その他の石や砂も混ざった砂利を敷き詰めます。

砕石以外のものが混ざるため、砕石整地よりも費用を抑えることができます。

費用目安
1㎡1,000~1,500円
124.4㎡124,400~186,600円

こんな方におすすめ

  • 個人用の駐車場にしようと考えている方

砂利整地は粗仕上げ(粗整地)に次いで、費用が安い整地方法にもかかわらず、雑草を生えなくする効果が非常に高いです。低コストで管理の手間を省くことができ、個人用の駐車場として利用する際に最適な方法です。

真砂土(まさど)整地

真砂土整地は、粗仕上げと同様に不要物を取り除き、土地を平らにした後、見栄えの良い真砂土を敷きます。

仕上がりの状態が綺麗で、買い手の購買意欲を高めることができるとともに、多様な土地活用の選択肢を持つことが特徴です。

費用目安
1㎡3,000~4,000円
124.4㎡373,200~497,600円

こんな方におすすめ

  • 土地ごと売却しようと考えている方

真砂土はとにかく見栄えが良く、仕上がりの状態が非常に綺麗でかつ多様な土地活用の選択肢を持ちます。土地を売却する上で、見た目の良さや汎用性の高さは買い手の購買意欲を高めることができます。

アスファルト整地/コンクリート整地

アスファルトやコンクリートで舗装する方法です。土地の高さを均一にしながら、水勾配を測定しながら、整地を行います。

※水勾配:雨水が自然に流れ、水たまりが出来ないようにするための勾配

工事時間が短いのはアスファルト整地。強度が高いのはコンクリート整地です。

費用目安
アスファルトコンクリート
1㎡3,500~6,500円5,000~1万円
124.4㎡435,400~808,600円622,000~1,244,000円

こんな方におすすめ

  • 貸し出し用の駐車場にしようと考えている方

アスファルトやコンクリートで舗装すると、土地の高さを均一にしながら、かつ雨水が自然に流れる土地になります。つまり水たまりができにくくなり、貸し出し用の駐車場として不都合なく利用することができます。

またアスファルト整地よりもコンクリート整地の方が壊れにくく、耐用年数も長いため、長期的に駐車場として活用するならば、コンクリート整地をおすすめします。

※アスファルト耐用年数:約10年/コンクリート耐用年数:約15~20年

防草仕上げ

防草仕上げは、粗仕上げと同様に不要物を取り除き、土地を平らにした後、防草シートを被せる方法です。

防草シートを被せることで、新しく雑草が生えなくなるため、管理の手間を省くことができます。

費用目安
1㎡1,000~6,000円
124.4㎡124,400~746,400円

こんな方におすすめ

  • 農地用の土地として活用を考えている方
  • 土地を長期間そのままにしておく予定の方

防草シートを被せることで、雑草を生えにくくすると同時に害虫の発生を防ぐことができます。いざ農地として活用する際に害虫駆除を行う必要がなくなるため、無駄な手間が省けます。

さらに長期間放置していても、樹木や花々が生い茂ることがなく、安心して土地を放置しておくことができます。

費用に関する補足説明

整地は一般的に解体工事業者やリフォーム業者、建築業者によって行われますが、整地のみを行う場合や解体とセットで整地を行う場合があるため、依頼する業者によっても費用は異なります。

※また土地の条件によっても費用は前後し、特に雑草が多い土地や斜面での作業などは追加費用がかかることがあります。

目的・用途別おすすめの整地方法

土地の用途おすすめ整地方法
土地の用途が未定粗仕上げ(粗整地)
新築の家を建てる
土地ごと売却する真砂土整地
個人用の駐車場にする砂利整地
他人用の駐車場にするアスファルト整地/コンクリート整地

土地の用途に合わせた適切な整地方法を選ぶことで、無駄な費用をかけずに有効活用することができます。

整地は必ず業者に依頼しましょう

いざ整地しようと思ってもどこに依頼してよいかわからない・・

一般家庭の庭ほどの大きさであれば、自分で整地を行うことも可能ですが、土地全体を整地する場合には必ず専門の業者に依頼しましょう。

以下の通り、整地は「現在の土地の状態」で依頼する業者が異なってきます。

スクロールできます
業種現在の土地の状態注意点
解体工事業者古い建物が建っている解体工事が主となるため、整地の質が低い業者が存在する
②リノベーション業者古い建物が建っているリノベーションをすることが前提となる
土木工事業者更地の状態(特に土地の高低差が激しい場合や草木が生えている場合)土地の荒廃具合によって、費用が大きく変化するため、土地を実際に見てもらうことが必須
④工務店やハウスメーカー更地の状態仲介料がかかり、無駄な費用が掛かる(工務店やハウスメーカー自体が整地作業を行うわけではないため)
工務店やハウスメーカーに依頼するのはなるべくやめましょう

工務店やハウスメーカーに依頼しても、実際に作業をするのは別の業者です。整地費用に仲介手数料が上乗せされるため、整地のみをお願いする場合はおすすめしません。

整地業者選びに失敗しないために行うべき2つのこと

整地を業者に依頼した場合、数十万~数百万単位なることも珍しくありません。ぼったくりや悪質な業者に引っかからないようにしっかりとしたリサーチが必要です。

以下の2点は整地に関する知識がない方でも簡単に実施できますので必ず行いましょう。

  • 複数社に見積もりを依頼する
  • 会社の実績を確認して、自身の土地の類似実績を探す

複数社に見積もりを依頼する

整地で相見積もりをすることが失敗しない業者選びの第一歩です。最低でも2社に見積もりを依頼しましょう。

総費用だけでなく、内訳ごとに比較することで、費用相場を細かく把握することができます。

また、内訳を詳細に書いてくれる業者はその後も丁寧に対応してもらえることが多いです。

会社の実績を確認して、自身の土地の類似実績を探す

会社HPやチラシに掲載されている実績を確認し、その会社が「どんな土地を得意としているのか」「自分が希望する整地方法の実績はあるのか」などをチェックしましょう。

また、多様な整地方法を持つ業者にお願いすれば、想定していたよりも土地活用の選択肢が広がります。

必ずしも大手の業者にお願いする必要はありません。地域に根差した中小の業者の場合、周辺エリアの実績があったり、大手よりも費用を抑えることができます。

まとめ

整地には仕上がりの状態や目的に応じて6種類の方法があります。

整地をする際は、その土地を最大限有効活用できるよう、土地の用途や需要に合わせた適切な整地方法を選ぶ必要があります。費用面も含め、複数の業者に相談しましょう。

記事監修者情報

株式会社グランクルー 代表取締役 加瀬 健史カセ タケシ)
不動産業界歴20年以上・宅地建物取引士

不動産のプロでも敬遠しがちな借地権取引の実績100件以上。借地権の売買や更新料の相談・借地トラブルまで幅広く対応し借地取引に多くの知見を持つ。世田谷の借地権に特化したメディア「教えて世田谷不動産」運営。詳細はプロフィールをご覧ください。